池田山住環境協議会は、池田山の素晴らしい住環境を守り、その望ましい将来像を描き、実現してゆくための協議会です。

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地区の課題


――「夢工房」保育所問題のその後――


2014年10月、社会福祉法人夢工房は池田山での保育所開設を断念し、所有地を他者に売却しました。伝え聞くところによると、理事会において「この場所に保育所を開設しても地元に貢献できない」という意見が出ていたそうです。売却額は取得額よりも高額で、この点でも決して夢工房の経営にとって負の遺産となることはなかったと考えます。

(参考資料をご覧ください:ニュースNo.6

ところで、品川区としては待機児童削減のために頼った社会福祉法人へのお返しのためでしょうか、その後急遽品川区における最大級の保育所新設にあたって夢工房を運営業者に指定しました。「区立ひろまち保育園」という定員300名の大規模な保育所で、2016年4月公設民営の形で(池田山計画は私設)保育士の方々も区の職員と夢工房の職員が半々という構成で始まったようです。ところが開設後すぐに夢工房の経営陣と、区から派遣されていた園長との間で運営体制について軋轢が生じます。さらに5月には、兵庫県においてその後刑事事件にも発展する夢工房の補助金流用不正が発覚し、芦屋市では「芦屋幼保市民の会」が鋭く追及を続けました。https://ashiya-youho.localinfo.jp/posts/categories/509388

東京でも補助金流用が次々と明るみに出て、やむなく品川区は夢工房への運営委託を断念せざるを得なくなりましたが、切り替えに伴う混乱は入所児童、保護者、保育関係者に大きな負担を与えることになりました。

(参考資料をご覧ください:ニュースNo.10


私達池田山住環境協議会は、2013年の夢工房保育所計画の発端から、夢工房の社会福祉法人らしからぬ対応、事業の進め方に大きな疑念を抱き、本社のある芦屋また関東圏の傘下保育所の実態を調査してまいりました。そしてそこで得た感触は限りなくブラックな経営であり、理事長一族の私利私欲に走る姿でした。しかしそのことを表沙汰にするには確たる証拠が必要であり、その時点では彼らから名誉毀損を訴えられる可能性も否定できませんでした。そのために当時は、私たちの反対理由を交通問題や適切な保育政策要求に求めざるを得ず、一部にはいまだに私たちの反対運動を「住民エゴ」と誤解されている方もおられると思います。

しかし池田山住環境協議会はそのような風評にひるむことなく、今後も「十分な行政側の説明」「社会福祉の公正な運用」「建設計画の適切な指導」を品川区に対して迫る活動を続けてまいります。


――2014年社会福祉法人「夢工房」保育所建設問題に関して――

現在私たち池田山住民が直面している大きな問題は、社会福祉法人夢工房による保育所建設計画です。池田山住宅地のほぼ真ん中で小泉元首相の仮公邸の隣、元鈴乃屋所有の300坪の邸宅がその後転売され、現在兵庫県の「夢工房」という社会福祉法人が、そこに2015年に保育所を開園させる計画を品川区にもちこんでいます

(参考資料をご覧ください:夢工房保育所計画地

池田山住民の多くは、社会福祉活動が適切に運営されるのなら、反対運動など始めません。しかし池田山住民がこの十数年来望んできた高齢者用施設ではなく、なぜ何の要望もなかった保育所が唐突に計画されるのか、行政として十分な説明が必要なはずですが、それが今に至るまで全くなされていません。また、保育所に預けたいと希望する池田山の住民がおられたとしても、今回の計画は、認可保育所として「保育に欠ける子」を預かるのですから、その方達が利用できる可能性はかなり低いと思われます。
(参考資料をご覧ください:
品川区ほいくえんのごあんない

では、そのような場所になぜ保育所が計画されるのか。民間といえど、運営費のほとんどが私達の税金でまかなわれている「認可保育所」の、このような高額な不動産への投資はおかしい、というのが私たち住民の最初の疑問でした。東京では、夢工房は目黒区で3年前に夢花保育園(目黒区中町2-46-14)を開設していますが、周囲は大規模な放置自転車置き場で、土地は目黒区から無償で貸与されています。また今年開所した港区のほうでは、駅前ビルの中に賃貸で保育所が設けられます。そのように、これまで夢工房経営の全国の保育所は、公立保育園をそのまま引き継いだり、土地を所有していても数千万円という程度で、今回の十数億円の不動産投資は異常に突出していると言わざえるを得ません
(参考資料をご覧ください:目黒日吉の保育所夢工房保育園リスト

認可保育所には公費が支出されるのですから、一般的に収支とんとんで経営されているはずです。運営経費の保護者負担はごく一部で、品川区の場合、ゼロ歳児だと月額395,000円の内公費負担は85%、年にして1乳児あたり4,029,000円もの公費が補助されています。そのように手厚く保護されているのは、社会福祉法人がお金もうけを目的にしない「非営利団体」だからです。しかしながら、6月2日の朝日新聞1面でとりあげられているように、一部社会福祉法人の利権の売買、私物化が表面化してきています。納税者としても、私たちは夢工房の件についてもしっかりと監視していかなければなりません。
(参考資料をご覧ください:朝日新聞福祉利権特集記事

静謐な住宅環境を維持している点で大先輩の田園調布では、大田区側は東急電鉄が中心になって1926年には社団法人「田園調布会」が発足し、以来活動を続けています。一方で世田谷区側は、バブル期の狂騒と混乱の中で住民が立ち上がり、「玉川田園調布環境協議会」を1997年にスタートさせました。地区の問題を解決するには世田谷区の街づくり条例に基づく「まちづくり協議会」の設立が必要だということになり、1996年に準備をはじめたのだそうです。私たちは、まずこの玉川田園調布住環境協議会がどのような道筋で、世田谷区の協力を得るようになったのか、参考にさせていただきたく思っています

また保育所の建設が、騒音や送迎者の問題で建設が難航しているケースについて、調査していきます。「古い新しいに関わらず、住宅地にある保育園は、ほとんどが何らかの対策を講じている」そうですが、どのような対策が実効性あるのか、ないのか、また中止に至ったケースでは何が最も大きな問題とされたのか、地域にとけこめた保育所はどのような努力を重ねたのか、などについて、現地に赴き住民の方々に実状をうかがってこようと考えています。
(参考資料をご覧ください:朝日新聞「隣に保育所 迷惑ですか