池田山住環境協議会は、池田山の素晴らしい住環境を守り、その望ましい将来像を描き、実現してゆくための協議会です。

資料室>新聞雑誌記事関連

新聞雑誌記事関連

2013.11.27日経「社会福祉法人 利益率は年6%」の紹介
2014.3   WEDGE「待機児童をめぐる社会福祉法人の闇」の紹介
2014.5, 6 朝日新聞福祉利権特集記事の紹介
2014.6.3  朝日新聞「隣に保育所迷惑ですか
2016.8.19 毎日新聞「品川区:保育事業者交代へ 兵庫で不適切経理/東京」

10月21日 朝日新聞「社福 ためすぎた内部留保 
地域活動で還元義務化」
21日の朝日新聞経済面の記事によれば、厚生労働省は、社会福祉法人の
必要分を除く財産をすべて地域の公益活動や職員の待遇改善などに使うよ
う義務づける方針を決めた、とあります。2016年度からの実施を目指すそうで
す。このためまず、社福の財産は「事業継続に必要な最低限の財産」と「余裕
財産」に分けられ、土地や建物などの不動産は「必要最低限の財産」とされ、
「余裕財産」は、生活保護世帯の子供への教育支援、低所得者への福祉サー
ビス、高齢者の生活支援などに充てることが想定されています。また賃金が他
の産業に比して低い、職員の待遇改善にも使われ、こうした流れで「最終的に
余裕財産はすべてなくなる」とみられています。
私たちは1年前から、夢工房の池田山土地購入の動機は、内部留保金の財
産隠しではないかと疑ってきました。もし夢工房の池田山保育所計画がなけ
れば、15億円に及ぶ投資資金はそのまま余裕財産とされて、保育士さん達
の給与アップなどに使われるはずです。今、待機児童が生まれている最大の
要因は、保育士不足と、認可保育所とその他の保育施設との補助金格差に
あります。東京都と品川区に対して、適切な保育行政を行うよう、私たちはこ
れからも要望を続けていきます。


AERA2014.4.21「現代に子どもを育てる親たちはワガママでしょうか」記事に関して

2014年4月     AERA記事とそれに対する抗議文
2014年6月9日 AERA編集長からの回答に対する弁護士事務所からの通知

(以下、船曳鴻紅からアエラ編集長宛のメール)
朝日新聞出版 アエラ編集長 浜田敬子様  2014年5月7


先月までとお願いしましたご回答が来週末になるとお話がありましたが、今週末までに私が指摘させていただいた点について、編集部としてどうお考えになるのか、おおよそをお知らせいただけたらと思います。

1)社会福祉法人「夢工房」に対する反対であって、「保育所」自体に反対ではありません。
2)税金の無駄遣いとは「保育」に対してでは全くありません(因みに私の所の垂れ幕は「問題は低賃金による保育士不足!」です)。
3)「高額な固定資産税や相続税」ではなく、高額な住民税を支払っている。消費税アップの理由にも「保育」が使われているが、池田山に土地代だけでも10億円の投資をすることが、適切な使い方かという疑問から、反対運動は発しています。
4)「ペットを散歩させる高齢者がきけんにさらされる」は、富裕な高齢者のエゴだと読者を誤解させます。
5)「高齢者の避難に手一杯で、子どもまで助けられない」という文章もまた、高齢者のことしか頭にないと読者を誤解させます。

私の娘も経営する会社のスタッフも、出産育児後できるだけ早くフルに職場復帰したいのですが、ゼロ歳からの保育所探しには誰もが苦労しています。従って女性の社会参加を推進する政策には何ら反対するものではありません。しかし毎度のことながら行政のすることには落とし穴があります。端的に言えば、帳じりあわせの見せかけの公共福祉事業が多過ぎはしまいか、ということです。

今回の夢工房保育所計画で、私が問題とするのは、次の3点です。
(一)品川区は地域ニーズや地理的状況を調査することさえなく、保育所設置の数値目標(大崎・五反田エリア)を達成するためだけに、この事業を認可しようとしている。
(二)夢工房が池田山を選んだ理由は、地価が高く内部留保金の投資先に適当なためで、そこに補助金および優遇措置を得るために型通りの保育所をつくる。
(三)夢工房がわずか9年間で、経営する認可保育所の数を1ヵ所から27カ所に増やせた最大の理由は、実態が若年層を中心とする保育士派遣業で、表面的な保育士養成プログラムで行政の信認を得たから。また社会福祉法人の利権(無税、独占)によって、資産も72億円以上に伸ばしている。明らかに質より量を追う経営姿勢だ。

保育業界のプロの目で見ると、夢工房はうまい場所を見つけた、のだそうです。品川区は区にとって手間のかかる公募型でなく事業者持ち込みの提案型、さらに地域ニーズの調査さえ行わない。池田山は地域住民間の日常的な交流が密でなく、露骨な反対運動は起こりにくい。そんなところに目をつけられてしまった私たちはたまったものではないのですが、しかしこれをきっかけに、社会福祉法人と保育の在り方に目を向けさせられました。

近年介護業界で起こっているように、保育業界も公営から民営化への流れに沿って、新たな保育所チェーンが生まれてきています。平成16年頃から、財政逼迫した地方行政が公立保育所の民間移管を次々と進めたためです。最大の理由は「硬直化した」人事体制にあるとして、民間に委ねて人件費の伸びを止めてもらおうということなのでしょう。公立の場合、保育士の平均年齢が40歳、平均年収が616万に対して、夢工房は平均年齢が27歳、平均年収が316万だそうですから、確かに運営コストは下がります。

しかし疑問は、それがはたして行政コストの削減につながっているかです。各保育所毎に行政の事業費認定はあるとしても、夢工房の場合、毎年事業収入の14%にもあたる4億円以上の純利益を上げていると知ると、首をかしげたくなります。内閣府での「社会福祉法人の内部留保金」の議論でも、純利益6%で多すぎるとされているぐらいですから。大体、世界的にも保育所経営は儲かるものではなく、例えば民間企業の参入が早かったイギリスでさえも、大規模に展開する保育所運営会社はありません。その背景としては、すべての施設は国が定める基準を満たす必要があり、多くの利益が出ない仕組みとなっていること、保育サービスの質は保育士の資質によるところが大きいため、サービスの質を画一化してブランドとして展開することが難しいこと、一括購入や採用、広報なども一定の規模になれば、それ以上に拡大するインセンティブがないことなどが指摘されているのです。

保育の本当の問題は「保育の質」にあるはずです。アメリカでは保育環境が子どもの発達にどのような影響を与えるかについて研究が行われています。そこで第一に挙がったのが、保育者は頻繁に変わってしまう高い離職率の問題でした。子どもの言語、社会的、感情面での発達にマイナスに働くと報告されているのです。その意味でも、保育所の中だけでなく地域で見守ることが、子どもの情操に良い影響を及ぼすのであり必要なことです。

欧州には、親たちが保育所を作って自分たちで運営する共同保育所があります。例えばスウェーデンでは、自治体がそうした方法を提案して立ち上げを支援し、公立と同水準の補助金を支給しているのだそうです。親たちが協同組合のようなものをつくり出資しあって保育士を雇う。自分の子どもが卒園するときには出資金が戻る仕組みで、親の意向を反映した運営がなされ、親の満足度も高いと評価されているそうです。しかし日本ではそういう試みが生まれようとしても、制度的な支援がほとんどありません。十数年前までは日本では社会福祉法人でなければ何の補助も得られなかったのが、ようやく株式会社やNPOでも、保育事業であれば参入できるようになりました。しかし納税義務があったり施設補助金は得られないなど、既存の社会福祉法人に比して不利な状況が続いています。

さらに、「保育の量と質」に関しても、様々な知恵が生まれています。デンマークには、「移動保育園」という仕組みがあります。コペンハーゲン市の中心部に集合場所が設けられていて、集まった子ども達を大型バスに乗せて、片道30~40分ほどの郊外にある保育施設に連れて行くのです。そこでは、豚などの家畜もいるし、たき火も許される。何より自然が間近にあるので、教材もマニュアル化されていなく、手作りで豊富です。大都市と違って、地方に行くと過疎のため、保育所を運営できるほどの数の子どもがいません。その場合は「保育ママ」というシステムが一般的です。地域の認定を受けたママは、育児経験豊富な40代、50代の女性が中心です。

日本では、給与が低水準であるために、保育士がほとんど20代の女性に偏っているという歪みも問題です。デンマークでは、各年代の保育士の方がおられ、男性も2割以上もいます。幼稚園と違い、保育所は朝8時頃から夕方6時頃までと長時間です。その間、若い女性にしか接しない保育環境は、子どもの成長にとって望ましくないという学術報告が、いずれあがってくるものと思われます。

小林明子記者は夢工房の黒石誠理事長に取材され、「初めて経験する反対運動に困惑する。ビル内の園が増えている中、ここは園庭が確保できる理想的な土地で、地域に根ざした保育ができると考えたのですが」と書いています。実際はどういう事かというと、夢工房は廃止される公立保育所の運営を受託したり、都内では港区は駅前ビルの中、目黒区は放置自転車置き場の一画を無償貸与されているので、これまで反対が起こるような状況になかっただけです。園庭が確保できると言いますが、示された計画図では屋上に設けてあって、地上部分の土に接しているのは数十坪だけです。であればドイツのようにもっと通園に便利な大型ビル内に保育所をつくり、広々とした屋上を利用したほうが理に適っているのではないでしょうか。また駅構内に預かりルームを設けて、そこから広々とした園庭を持つ施設に移動するという方法もあります。

以上が小林記者にお話しした私の考えですが、いずれにしても、保育の問題を短視眼的に捉えないでいただきたいと思います。保育のためと言って税収増をし、箱もの施設費に充てていては、それが本当に持続可能な保育行政なのか。1100兆円の国と地方合わせての借金は、将来、確実に子ども達の世代を苦しめます。

「現代に子どもを育てる親たちはワガママ」とは、未来に対しての責任を放棄して、現在の利便性のみを求めるときに言われてしかるべきです。私は、子どもは親だけではない、社会が育てるべきという考えです。コミュニティもなく母親が孤立していた私の世代に比べて、現代の親たちは、少子化ということもあり多少は社会に関心をもってもらえる状況にあります。そこで是非、御上頼みではない、自分達の理想の保育の声をあげていただきたく思います。政治と行政のポピュリズムにメディアが歩調を合わせていては、将来に禍根を残すだけではないでしょうか。今後アエラ編集者の方々のジャーナリストとしての矜持に期待します。